20210802:雑なCGでもいいじゃん

最近ニコ生でコワすぎ!シリーズの一挙放送があり、知り合いの勧めもあって複数人で見ることがあった。

ホラー映画は割と好みで多少雑な面も許容できる性格のため非常に楽しめたが、他の人の反応を見ているとやはりホラー映画は難しいなと感じた。

 

ホラー映画を他の人と見てて非常に気になるのが、恐怖シーンや超常現象を茶化す発言だ。

何か不明瞭なものが映ると「ほこりでしょw」。

急な展開になると「それは無理やりすぎでしょw」。

そしてわかりやすい合成やCGを見ると「作り物ってわかりやすすぎw」。

こういう発言を聞くと映像作品を楽しむにはある程度の理解力が必要だと感じる。

 

映画監督志望者でも評論家でもない自分が偉そうに語れることではないが、映画の評価されるべきポイントは複数あり、それが全て満点でなくてもどれかが突出していれば十分評価に値されるものだと思っている。

CGがすごいから良い映画というのは成り立つが、CGが酷いからクソ映画という評価は成り立たない。

たとえCGが雑でも、その雑なCGで表現しようとしている内容が伝わればそのCGが精巧である必要はない。

そして雑なCGのシーンに重大なメッセージが込めていて、そのシーンがあることで成り立つ素晴らしいエンディングがあったとしたら自分はその映画をいい映画と評価できると思う。

もちろんどう見ても本物のようなCGであれば良い評価になるが、その精巧さに関わらずCGで何を描きたいかが重要だと思う。

 

極端な例え話になるかもしれないが、自分の話に他の人物が出てくる際にその人物のセリフを完璧な声真似で表現をしなくてもその話は成り立つだろう。

異世界を描く際に現実にもありそうなクオリティの異世界を描かなくても、一目見て「あぁ、ここは普通の世界ではないんだな」と思うことができればいいはずだ。

 

ホラー映画はほかのジャンルの映画と比べて特に低予算であったり、あまりに不可解な怪現象を映像化する必要があるため映像表現が難しく雑に感じられることは多いと思う。

それゆえに馬鹿にされたり、低く見られやすいのかもしれない。

 

もちろんホラーが苦手で茶化しながら見ないと最後まで見れない人や、悪意なく笑えるところを探し出す癖がある人も多いと思うし、一切否定する気はない。

ただ映像の表面のクオリティしか見ないのではなくなぜその表現が必要だったのか、その映像で何を描いたのかを理解することがホラー映画、それだけでなく全ての映像を楽しむ重要な考え方の一つだと思うし、それを理解して茶化すのとしないで茶化すのとでは大きな違いがあると思う。

映画を見て「おもしろかったわw」ではなく「お~!面白かった!」と言えるようになりたい。

 

ちなみに脚本はしっかりしていないと、この文章みたいに何も伝わらなくなるからマジで重要だと思う。